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193-ニキビの話 -皮膚のバリア・常在菌-

 

うちにニキビの悩みでいらっしゃる患者さんのほとんどは、油っぽくはありません。

 

ご自分でニキビができる、イコール油っぽいと思って来院されますが、油っぽくはなく、逆に乾燥していて、たった1個、2個できたニキビの治療を積極的にしすぎて、こじれてもともとの乾燥肌がさらにニキビの薬で乾燥して、悪くなって、ずっと治らないで、繰り返して、繰り返してどうにもならなくなっているというケースが意外に多いです。

 

もっと自分の肌質を知れば、もともとアトピーだったのに、ニキビが今はすごいんですというのは、肌質が変わったわけではなくて、バリアのバランスが崩れているだけなのです。

 

もともと皮膚の常在菌はたくさんあります、培地に手を置くと、手の形にばい菌が生えるぐらい常在菌はいっぱいいますが、それが自分の味方をしているときは自分を守ってくれます。皮脂をちゃんと作って、皮脂膜を作っているわけです。

 

だけれども、洗いすぎだとか、紫外線だとか、体調だとか、ストレスだとか、そういうもので皮脂のバランスが崩れた時に、常在菌のバランスも崩れて、ニキビを作るような菌が増えたり、もしくはカビとか常在しているものが増えたりするので、いろんな状況が起きてくるわけです。

 

そういう意味で原因を自分で作ってしまっているのかと言うと、そういうことになってしまいます。患者さんとしては、ニキビが治らないから、自分は特殊なニキビで、アレルギーから起きているかもしれないと、アレルギー検査をしたいと言って来ます。検査の前に皮膚をきちんとみて診断することが必要になります。

 

私のクリニック目白

院長 平田 雅子


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